要約
略語が初めて使用される場合、またはあいまいさが生じる可能性がある場合は、略語の元の正式名称をユーザーが確認できるようにします。
テクニック
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略語は、最初に元の正式名称を使用した後に、括弧で囲んで示します。[[WCAG-3.1.4]]
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元の正式名称を提供するには、
title
属性を持つabbr
要素を使用します。[[WCAG-3.1.4]] -
略語の用語集を提供します。[[WCAG-3.1.4]]
例
解説
略語や頭字語を使用すると、スペースを節約でき、記憶に役に立ちますが、最初は用語に馴染みのない読者にとっては困難を伴います。これは、意味を理解したり覚えたりすることが困難な認知障害や学習障害のある人にとっては特に問題となります。
コンテンツ製作者が略語や頭字語をよりアクセシブルにするために利用できる様々な技術があります。括弧書きで略語を記載するよりも前に、常に用語の正式名称を記載するのが、ほとんどの執筆ガイドにおける一般的なルールです(例: 「World Wide Web Consortium (W3C)」)。
この手法は、略語や頭字語が作品のごく一部でのみ使用されている場合に最も効果的です。ただし、(訳注:略語や頭字語の)用語が一度だけ説明され、その後に出版物全体で繰り返し使われると、読者はその定義を見つけるのが難しくなります。
HTMLのabbr
要素を使用して、title
属性を用いて略していない語を記述することで、略していない語を再度提供し、この問題を回避できます(例 2を参照)。このマークアップは、すべての略語のインスタンスにタグ付けを行う目立たない方法です。
abbr
要素の利用における欠点は、略していない語が支援技術のユーザーしか利用できないかもしれない点です。title
属性を使用すると、マウスを略語の上に置くとツールティップが表示されますが、読者はポインティング デバイスを備えた読み取りシステムを使用していないかもしれません。
別の対策として、略語を用語集のエントリへのリンクにする方法があります(例 4を参照)。この方法を使用すると、すべてのユーザーが略していない語にアクセスできますが、用語集の用語へのリンクでドキュメントが過負荷にならないように注意してください。ドキュメント内で用語へのリンク使用されればされるほど、支援技術のユーザーが用語を繰り返し確認することになり、邪魔になってしまいます。リンクを使用する場合は、セクションで初出の用語に限ってリンクを設ける方法をお勧めします。
関連リンク
- HTML —
abbr
要素