要約
注釈を識別し、それをテキスト内の論理的な区切りに配置すると、主要なテキストの読みやすさへの影響を最小限にできます。
テクニック
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ロールを使用して脚注を識別します。[[WCAG-1.3.1]] - セクションの末尾またはセクション内のリストに脚注または文末脚注をグループ化します。[[WCAG-1.3.1]]
- 注釈への参照を注釈にリンクします。[[WCAG-1.3.1]]
- セクションまたは作品の最後にある注釈から、注釈への参照にバックリンクします。[[WCAG-1.3.1]]
例
よくある質問
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ロールを使用する必要がありますか? -
いいえ。
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ロールの使用は、コアARIAロールモジュールとの技術的な互換性がないため、現在は非推奨です。ARIAでは、モジュールからのロールがコアロールの要件を満たすことを許可していないため、doc-endnote
はリスト項目のように動作しますが、技術的にはリストにリスト項目の子を持つという要件を満たしていません。そのため、HTMLのリスト要素としても 、ARIAのlist
ロールの子としても、無効になります。すでにこのロールを使用している場合、支援技術の使用で問題は発生しないはずですが、コンテンツのエラーを回避するために、今後は使用しないことをお勧めします。
また、このロールは一般的に冗長です。
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ロールを使用して注釈のセクションが識別されると、ユーザーは支援技術によってセクション内のリストに文末脚注があると認識します。
解説
脚注と文末脚注は、物語の流れを中断するため、読書体験の妨げになることがわかっています。脚注が、それを参照する段落の直後に配置されている場合、通常はテキストコンテンツと区別がつかないため、ユーザーは毎回手動で移動する必要があります。セクションの最後にまとめられた文末脚注でも、ユーザーはそれを飛ばして移動できる必要があります。
HTML構造要素は、role
属性とともに、個々の脚注と文末脚注、およびそれらのセクションを明確にマークすることで、この問題を軽減する手段を提供します。これにより、アクセシブルなユーザーエージェントは、参照元から続いて読まれる場合を除いて、注釈を無視することができるだけでなく、どのようなユーザーエージェントでもより賢く(例えばポップアップとして)注釈を扱うことができます。
セクションの最後にグループ化されている注釈は、doc-endnotes
ロールを使用してグループ化する必要があります(例 2を参照)。リストを使用すると、ユーザーはリスト内をより効率的に移動できます(たとえば、各リスト項目番号は通常、含まれている注釈番号に順番に対応し、注釈が多数ある場合は、ユーザーが一度に複数のリスト項目間を移動できるようにする必要があります)。
表内の注釈
表の中に注釈がある場合、tfoot
要素はその列の要約を意図しているため、この中に注釈は入れないでください。脚注は表の後に続くか、figure
の中に表と一緒にグループ化することができます。例については、表のセクションを参照してください。
注釈の参照
ユーザーが対応する注釈を視覚的に探す必要がないように、注釈の参照は HTML a
要素を使用してタグ付けする必要があります。
sup
要素は、注釈の参照を上付き文字にするために使用できますが、冗長性が増します(支援技術は、テキストがリンクされていることに加えて、上付き文字になっていることを通知します)。CSSのvertical-align
プロパティを設定すると、追加の通知音声なしでa
要素を上付き文字にすることができます(例3を参照)。
注記
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ロールのアナウンスがより強力にサポートされるようになるまでは、sup
要素は注釈の参照に何らかのコンテキストを提供します。ただし、ロールのサポートが強化されると、明示的な上付き文字の使用は冗長になります。その時には、CSSフォーマットを優先すべきです。
バックリファレンス
アクセシビリティが特に要求されているわけではありませんが、注釈のグループをテキスト内の参照位置にバックリンクすることは良い習慣です(例4を参照)。ユーザーが注釈を調べている場合、バックリンクを使用すると注釈が参照しているテキストをすぐに見つけることができます。
それぞれのバックリファレンスのリンクテキストは、リンク先を明確に判るようにしてください。「参照元へ移動」のような同じ表現の繰り返しの使用は避けてください。支援技術のユーザーがこのページ上のリンクリストにアクセスすると、各リンクのコンテキストが失われてしまいます。
関連リンク
- DPUB-ARIA —
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- DPUB-ARIA —
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