要約

ユーザーが時間制限のあるアクションを完了するのに十分な時間が確保されるようにします。

テクニック

解説

WCAGが扱う時間制限の種類は、デジタル出版物では一般的ではありません。これらの制限は通常、ユーザーのアクティブでない状態(例:アカウントが侵害されないようにユーザーをサイトから自動的にログアウトする)や、アプリケーションの適切な機能の確保(例:ユーザーが購入物を無期限に保有できないようにする)のために使われます。

ただし、一部のデジタル出版物、特にクイズ、テスト、インタラクティブなアクティビティを組み込んだ教育関係の出版物では、時間制限が使用されています。タイミングがアクティビティに不可欠であるかどうか、また、ユーザーが時間を延長、調整、オフにできるようにする必要があるかどうかは、これらのケースではより複雑です。

たとえば、テストが生徒の成績評価に不可欠な場合は、時間制限を設けることは許される場合があります。ただし、アクティビティが練習のみを目的としている場合は、ユーザーがタイミングを制御できるようにするべきです。

注記

実際には、学生がテストに回答するために追加の時間を与えるべきかどうか、また、デジタル出版物でこれをどのように許可するかは複雑な問題です。地域によっては法律で、学生に追加の時間を与える配慮が求められる場合もあります。可能な限り、出版物に時間的に重要な機能を追加することは避けた方が良いでしょう。

一般的には、コンテンツの操作や理解に影響する時間制限をユーザーが制御できるようにするのが最適です。たとえば、視覚や認知に障害のあるユーザーは、コンテンツのレイアウトを理解したり、実行するアクティビティを理解したりするのに多くの作業が必要になるため、アクティビティを完了するのにより多くの時間が必要になる場合があります。

また、アクティブでない期間によって、入力したデータやアクティビティの進行状況が失われる場合も、ユーザーに警告する必要があります。アクティブでない期間が短く設定されすぎると、たとえば、まだ手順を読んでいる間に、ユーザーがアクティブでないように見える場合があります。

さらに、セッションを使用してユーザーの現在の状態を維持する場合(ユーザーが出版物内のアクティビティを追跡するサービスにログインしなければならない場合)、ユーザーが再認証でき、データや進行状況が失われないようにする必要があります。

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